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ある卵巣がん患者配偶者の記録

2015年1月から9月までの戦いの日々

確定診断

二度の空振りを経験したあと、この日にいよいよ病理確定。

この日は、保険適用にならないが病院持ちでマーカーの検査も追加。数値は順調に低下していた。

詳細に追加で検査をしてもらったが、結局その後も悪い成分が出てくることもなく、最終的な診断は「ステージ1aの類内膜腺癌グレード1+未熟奇形腫グレード1」となった。

つまり、手術からほぼ一ヶ月たった今になるまで、確定診断がつかなかったということだ。

それだけ卵巣ガンというのは診断をつけるのが難しい病気ということになる。

「未熟奇形腫のほうは境界悪性ということで、抗がん剤の適用にはなりません。しかし、類内膜腺癌のほう、こちらは悪性腫瘍ということになりますから、やはり再手術を行って、リンパ節と大網をきっちりとっていくというのが標準術式ですし、そうするのがいいと思います」

最終診断がついたことで、これまで切り出せなかった話をいよいよ切り出した。

「先生、その件についてなんですが。。。私達は、この期間ずっと卵巣ガンについて勉強してきて、いろいろと考えてきていたのですが、今回は追加治療なしの経過観察ということでお願いできないでしょうか。もちろん、再発のリスクなどが高くなることは承知の上です」

H医師は、私の話を黙って聞いていた。そしておもむろに、

「わかりました。ご本人がそのように希望されるのであれば、厳重フォローアップということにいたしましょう」

医師のすすめる治療方針に異を唱えるというのは、勇気がいる。内心、どのようなリアクションがかえってくるのか、心配でならなかった。しかし、H医師は私たちの考えに理解を示してくれた。

妻が口を開いた。

「先生、私は、悪くなった部分を手術でとるのは仕方ないと思っていますが、悪いと確定してない部分まで予防的にとるというのはやりたくないんです」

「わかりました。では、次回にPET-CTだけやっておきましょう。それで何もなければ今後は経過観察ということでいいでしょう」

さらに続けて、

「今のままでも、かなりの確率で再発なしでやっていける可能性はあると思います。だから、あまり心配はなさらなくてもいいですよ。しかし、婦人科悪性腫瘍の専門医としては、ほんの少しでも確率が違ってくるのなら、その方法をご案内するというのが私達の考え方なのです」

経過観察という方針が決まれば決まったで、不安をあおるようなことを言わずに安心させてくれるH医師を信頼してやってきて、本当に良かったと思った。

次回は3月2日。

腫瘍マーカーとPET-CTの予約を入れようとしたが、採血をそれよりも前の時間に入れることができなかったため、この日はPET-CTだけをとることに。