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ある卵巣がん患者配偶者の記録

2015年1月から9月までの戦いの日々

最後の診察

いよいよ最終日。

朝から採血をし、結果が出る頃までしばらくカフェテリアで仕事をしたのち外来受付へ。

今年に入ってから入院と外来で長い時間をすごしたこの病院とも、いよいよ今日でいったんお別れ。

腫瘍マーカーの数字、綺麗に下がってきてます。CA19-9だけ39で基準値の37を少しだけ超えてますが、もうこれは正常化したといってよいでしょう。他の数値はすべて陰性化しました」

たしかに計測するたびに順調に下がってきていて、CA125は15、AFPは4、LDHは133と、すべて正常値になっている。

「紹介状、バタバタしてる中で急いで書いたのですが、一応最後にスペルチェックぐらいしておきますか。。。」

目の前でポチポチとWordのスペルチェックをかけていくH医師。どうも診察室のパソコンに医療辞書が入ってないらしく、teratomaやimmunohistostainやendometrioid adenocarcinomaなどといった単語でいちいち赤い波線が出てくるのを無視していく。まさか英文で紹介状を書いてもらえるとは思っていなかったので、ほんとうにありがたかった。

「この病院にはレターヘッドすらないんですよ。欧米のスタンダードからすればちょっと恥ずかしいですよね。このままプリントアウトするのでもいいですか?」

「もちろん問題ありません!アメリカ人はそういうところにはこだわるかも知れませんが、逆に紙質は日本のほうがいいですから(キリッ)」

「それでは、一緒に検査の映像データもDVDで出しておきましょう」

「フォーマットはDICOMで出してもらうことはできますか?」

画像はJPEGとDICOMが選べるようなのだが、DICOMのほうが情報量が多くDICOM→JPEGの抽出はできるが逆はできないことぐらいは知っていたので、そちらを希望した。

「それと、今さらながら気になってきたのですが、パップスメアやマンモグラフィーをしばらくやってないので、それも先生にやっていただくことは可能でしょうか?」

「気になるなら今やってもいいのですが、生理中だとできませんね。でも今回いろいろ見てきてますけど、すくなくとも明らかな子宮頸がんの兆候はないと思います。マンモはねぇ。。日本だと保険適用じゃないんですが、やりますか?検査室の予約が必要になりますが。そもそも、アメリカでも検査の間隔はあけていく流れですし、あまり気になさらなくていいと思いますよ」

そこまできいて、半年後に検査をするときに考えればいいかも。。。という気がしてきたのだった。

本日で、最初にガン告知を受けてからちょうど2ヶ月。

当初は絶望感に打ちのめされて一体どうなることかと思ったが、ガンという病気に対する理解を深めるにつれて恐怖感はなくなっていき、今では生活を改めよという体からのメッセージだったのだと、むしろポジティブにとらえることすらできるようになっている。

実質的な治療行為が行われたのは一度の手術だけで、その後は抗がん剤も追加手術もなく経過観察でいくという選択をしたのだが、それが臨床的にも許容される程度の悪性度であった(しかも2種類のガン細胞の合併であったのに)ということも、不幸中の幸いだったとしかいいようがない。

しかし、ガンは本来的には生活習慣病だから、本当の勝負はこれから。

食事、冷え、運動、ストレスなどを総合的に見直して、今後の一生を健康的な生活に切り替えていかなければ。