ある卵巣がん患者配偶者の記録

2015年1月から9月までの戦いの日々

季節外れの雨

6amに起床。妻はずっと椅子で寝ていたようだ。

途中で採血もあったらしく、錠剤を4amに飲んでうとうとしている。

吐き気があるらしく、水も飲めない。口呼吸のため唇が乾き、苦しそうに頻繁に水で唇を濡らす。

歯を磨きたいらしいが立っていられないので、うがい受けとコップを使ってサポートする。

8amにシフトチェンジがあり、気遣いの細やかな白人ナースのKimと交代。いろいろと個人的な事情を聞いてくれ、応援してくれる。Dilaudid注射の用量を1.5から1.0へ下げて、1回あたりの量よりも3時間おきという頻度のほうが大切であることを伝える。

採血でカリウムレベルが落ちてる(正常値は3.5-5.5だが3.5だった)ので筋肉の活動レベルを上げるためにポタジウム摂取をすすめられる。水も飲めないので錠剤は無理ということで、IVで2 x 2の4時間かけて投与することに。

点滴と痛み止めの注射を開始してから約2時間後、少し元気がでてきたらしく、汗をかいたのでシャワーを浴びたいという。

一週間ぶりのシャワー。

黒人ナースのTashaに右胸のCVポート部分をビニール袋とテープで覆ってもらい、シャワー用の椅子を手すり代わりに使いながら、なるべく右胸を濡らさないように下半身から入浴。

途中でTashaが駆け込んできて「Don't wet the patch!」といってくる。Fentanylパッチをつけたまま入ってもいいか事前に確認してOKと言われていたのだが、やっぱりはずさないといけないのだ。間に合ったので外し、念入りに洗っていく。しかし、妻の体力が持たず、途中で疲れたという。腰も痛い、お腹も痛い、で髪を洗うのは無理と判断し、いったん上がる。

バスタオルを一枚、上半身にかぶせて冷えないようにしつつ、下も拭いていく。ガウンを着せ、パンツをはかせ、腹帯を巻き、いったん上がる。しばらく椅子に座って休憩。

きつい弾性ストッキングを履いてしまうまえに髪を洗いたいというので、ふたたびバスルームへ。シャワー椅子を手すりがわりに、頭だけシャワールームにつきだし、首周りにバスタオルを巻いてポートまわりが濡れないようにしながら髪をあらっていく。途中でだんだん腰の痛みが出てきたらしく、切り上げる。

新しいストッキングと新しい靴下を出し、履かせていく。Covidien T.E.D. Anti-Embolism Stockings Thigh Lengthというものだ。

終わってすぐKimにお願いして痛み止めの注射とポタジウムIVの再開をお願い。また、昨日からほとんど水すら口にしていないので水分と栄養補給のIVができるかどうか。ドクターに問い合わせると、いったん実際に様子をみてからにしたいという。

運動量が落ちてるので、椅子に座っているときもポンプを動かす。洗濯ものをまとめ、母に連絡してTさんに車で送迎をお願いし、洗った弁当箱を片付け、バタバタが終わってみるともう昼前。

12:15pmに錠剤2錠。

オレンジなら食べられそうということで、皮を向いて食べさせる。2-3個食べたところで終了。

自分の食料をとりに下のカフェテリアへ。日中の気温はかなり上がってきているので、ついでに駐車場に放置している車のサンシェードもセットしてくる。スイカなら食べられるということで、カットフルーツのスイカとサラダを買ってくる。

スイカも2-3個食べたところで終了。腹部の膨満感が気持ち悪くて飲んだり食べたりできないと言う。そこでKimに相談し、2pmにDulcolaxを、8pmと8amにColaceを服用することを提案される。夜中に起こされないためにという配慮がうれしい。

2:25pmにDilaudid注射。すやすや眠りにつく。

3pm前にTさんと母がきてくれてジュース、弁当、マンゴー、おにぎり、洗濯物などを受け取る。Kimに頼んでアイスパックとアイスチップスを持ってきてもらい、Trader Joe'sの冷却エコバッグに入れて冷やしておく。

3:15pm頃から仕事の急用の連絡が入り、対応。4pmまでに概ねやっつける。

その間、何度かTashaがバイタルをとりにきたが、妻が寝てるのをみて後にすると言ってくれた。

4pm過ぎ、内科医のDr. Haitham Elconsulがやってきて、妻を起こして栄養状態をみる。やはり点滴での栄養補給は腸が仕事をしなくなるのでよくないらしく、自分で飲んで食べることが大事だと強調。だめならサプリメントプロテインシェイクを出すと言われた。しかしお腹の膨満感のせいで飲んだり食べたりできないと伝え、また背中の痛みが強くて眠れないことを伝えると、背中の局所麻酔パッチLidocaineを出してくれることに。この効果に期待したい。

妻が目を覚ましたので、母がジュースをもってきてくれたことを伝え、ほんのり冷えたジュースを飲む。やはりこのジュースが一番おいしく飲めるらしい。がんばって飲む。

4:15pmになったので、Tashaに妻が起きたことを伝え、バイタルをチェック。同時にKimにpain pillを出してもらう。

4:30pm頃、Kimが背中に貼る局所麻酔パッチをもってきてくれる。これは12時間おきに貼り替えるらしいので、初回のみ少し長めで、8am / 8pmぐらいのサイクルで回していくのがよさそう。

5pm頃、外で雨がふる音に気づく。こんな季節にベガスで雨?

5:15pm頃、妻が吐き気をうったえる。これまで背中の痛みが強すぎて気にならなかったが、背中の痛み止めパッチが効いて、かつジュースを飲んだことで吐き気が問題になってきた。

Kimにお願いして吐き気止めを注射してもらう。15分ぐらいで効いてくるとのこと。

6pm前、妻の顔色がずいぶん良くなってきた。ジュースもまた飲み始めた。ようやく、効く薬の組み合わせとサイクルが揃ってきた感じだ。これでHydromorphoneの錠剤と注射を減らせれば、もう少しアクティビティレベルを上げていけるかもしれない。

母の持ってきてくれた弁当をたべる。かぼちゃとsnap peasの煮物、サバ塩、大量の大根おろし、おにぎり三種(梅雑穀、玉子焼き、昆布)。くわえて、Tさんが持ってきてくれたマンゴー。うまかった。

7:10pm頃、痛みをうったえはじめたのでDilaudid注射。少しだけ、間隔があいた。同時に、少し予定より早いがColace服用開始。

注射の影響ですぐに眠りについた。

妻が眠っているので、母と談話室で少し話してから部屋に戻る。

シフト交代でナースがCirilaとTonya、アシスタントがMarquita、チャージナースがRose。

8:30pmに錠剤。

トイレに行くとどうしてもいきんでしまい、そこから腹と腰が痛くなって調子悪くなってしまうらしい。

10pm、おなかがすいたらしく、スイカを半分たべ、ジュースを全部飲んだ。かなり落ち着いている。

11pm就寝。