ある卵巣がん患者配偶者の記録

2015年1月から9月までの戦いの日々

久々に体調の良い日

5:30am、妻の寝顔を眺めていると、白目をむいて眠っている。薬の影響か?起きているのか眠っているのかわかりにくい。

しばらくすると目を覚ます。

7am、ナースOさんがきて、飼っている犬のこと、ナースの休憩室が寒いこと、など妻と談笑。Oさんは若いのにとてもよく気が付くやさしいナースで、話しかけるときには必ずしゃがんでベッドで横になっている妻の目線の高さまでおろして話してくれる。楽しそうに話している妻の姿を見ていると、じんわりとこみ上げてくるものがある。

腰回りが大きく浮腫んで、アメリカでの入院中に私が買ってきたMサイズ(いつもはSかXSサイズ)のパンツでさえきつくなってきていたので、パンツの端のほうをハサミでちょきんと切って広げてもらう。

7:30am、売店でサンドイッチとメープルチーズパンとコーヒーを買ってくる。妻は少しづつかじる。

8am、吐き気を抑えるためのイメンドとナゼア服用。

体の清祓をしてもらったあとで、足を持ち上げてのリンパマッサージ。大切な妻とのスキンシップのひとときだ。丁寧にゆっくり、さするように、下半身に溜まった水分をリンパの流れに沿って上に押し上げていく感じで、マッサージをしていく。

12:30pm、母が食事をもってきてくれる。チラシ寿司、稲荷寿司、春雨サラダ、りんごジュース。それぞれ一口づつと、残り物のキウイとオレンジをひとつづつ食べた。

今日は体調がよく、面会ができそうだということで、2pm頃から義母、私の弟、幼なじみの友人たち4人と立て続けにビデオチャットで話をする。妻の元気そうな姿をみると、誰もが喜んでくれる。しかし、妻は元気なときにしか話したがらないので、実は真実の一面しか見せていない。それでも、面会できたあとの妻は少し満足そうだった。

5:30pm、両親が迎えに来てくれて、妻を病室に残して3人で病院近くの洋食屋で夕食を食べる。

食後、病室に戻ってから妻は売店で買ってきた鮭おにぎりにチャレンジするが、一口かじってギブアップ。ジュースの残り、スイカひと切れとQooのゼリーに。

食事量が少ないのが気になるが、妻自身でiPadでメッセージを送ったり、久々に体調の良い一日を満喫できた。