ある卵巣がん患者配偶者の記録

2015年1月から9月までの戦いの日々

シェイク一気飲み

室内もずいぶん暑くなってきて、夏の気配を感じる。

朝は売店でカレーパンを買ってきたが、妻はゼリーしか食べられない。

ひたすらAmazonKindleのマンガ本を大量に買う。病室で妻が寝ているとき、医学論文ばかり読んで疲れたとき、横になってiPadで漫画を読むのが自分自身にとって大切な息抜きのルーチンだ。でも、情緒的に脆くなっているので、内容に過剰反応して感情が大きく揺れ動いてしまうこともある。それでも、いまの自分の心境を代弁してくれるような内容の作品をつい探してしまう。人間の心は複雑だ。

実家には、いよいよ引っ越しでアメリカから送っていた船便の荷物が届いたようだ。

昼はほっかほっか亭でスタミナ丼を買ってくる。京都の学生時代から存在した、懐かしのメニューだ。

3pmに母が迎えに来て、Book Offと図書館を経由して帰宅する。妻の大好きな「風の谷のナウシカ」のワイド版全7巻を探したが、見つからない。映画のその後のストーリーがあるんだよ、という話をしていて、読ませてあげたかったのだが。。。

帰宅すると、届いた引っ越し荷物の開梱はそこそこに、とりあえずiMacだけセットアップして回線につなぎ、シャワーを浴びてふたたび病院へ。

ユニクロで病室で過ごしやすい短パンを買い、その近くの中華屋で母と担々麺を食べている最中に妻から電話があり、「マクドのバニラシェイクが飲みたい(関西弁なので、マックではなくマクド)」という。妻から何かを欲しいというリクエストをもらうと、小躍りしたくなるほど嬉しくなる。

明日の朝用のパンを買い、言われたとおりにマクドでシェイクMサイズを買い、病室に戻ると7:30pm。妻はシェイクをごくごくと2/3ぐらい飲んだ。その姿をみて嬉しさがこみ上げてくる。

9pm、トイレに行くとき、ナースから「旦那さんヘルプ!」と呼ばれ。みると妻が倒れかかっている。急いで駆けつけると、完全に腰が抜けてしまっており、全体重がかかっている。二人がかりで抱えてベッドまで戻り、休憩する。貧血のようだが、本人は、その瞬間のことを覚えていないようだ。血圧は正常だったが、もしかしたらシェイクの一気のみで冷えたのが良くなかったのかもしれない。

しかし、やはりトイレ(大のほう)には行きたいようで、ふたたびチャレンジする。今度は意識もしっかりしている様子。