ある卵巣がん患者配偶者の記録

2015年1月から9月までの戦いの日々

京都出張

5am起床、5:30amに高松駅へ向けて予約していたタクシーに乗る。

夜明けの静謐をたたえた高松駅が、胸が苦しくなるほど美しい。また妻が元気になったら、こんな景色を眺めながら静かに歩いてみたい。妻も私も、こういう早朝の空気を愛した。

今日は京都へ出張だ。

高松駅から瀬戸大橋を渡るマリンライナーで岡山へ、そして新幹線に乗り換えて京都へ。

妻を一人きりにしたくはないので、私の不在中、母に朝から晩まで病室にいてもらうようお願いしておいた。H先生から外出許可が出たので、病室をでて病棟の東まで日光を浴びにいったり、談話室まで歩いて行ったりしたそうだ。しかし、さすがに歩いて行ったのは疲れた様子。

無事、仕事を終えての帰路、京都駅でミニクロワッサンのDONQを見つける。

妻は京都の短大を卒業したあと、しばらくDONQで働いていたことがある。仕事あがりに、まだ学生だった私のうちに仕事の残り物のクロワッサンを持ち帰ってきてくれていた。甘くておいしいクロワッサンだったが、一日中作り続けていた妻にとっては、匂いをかぐだけで気持ちが悪くなるらしく、自分はまったく食べようとしなかった。もう20年近く前の話だ。

5pm頃に高松駅まで戻ってきた頃、ちょうど母から電話があり、車で迎えにきてもらう。お土産に京都で買ってきたマネケンのワッフル、これは妻が昔好きだったものだ。

高松駅で買ったくるみミルクパンなどを食べつつ、母が買ってきてくれたオーガニックスーパーの弁当を食べる。

疲れていたので、すぐに眠ってしまった。